体重100kgの男がボクシングで20kg痩せた話②パンチのたびに肉がゆれる
SOETE ANNEXフィットネスボクシング＆ヨガストレッチ「SOETE ANNEX」の木村です。
私自身、かつてはこんな仕事をするとは思えないほどの大巨漢で、体重100kgすなわち0.1トンを誇るぽっちゃり男子でした。
100kgオーバーで、少しのランニングで膝を痛めるような男――そんな男が、いかにして20kg減量したかを綴っていきます。
↓前回のお話
体重100kgの男がボクシングで20kg痩せた話①「学生時代は相撲やられてた？」
体重100キロ…すなわち0.1トン この大台に達したときの絶望感はいまでもよく覚えています。 薄々、「自分は太っているんじゃないか…？」とは思いつつも、現実を直視したく…
ボクシング＆ヨガストレッチ SOETE ANNEX 
いざ、ボクシングジムへ
ランニングもダメ、筋トレも続かない私は「ボクシングで痩せよう」と一念発起し、自宅から通える範囲内でジムを探しました。そこで出会ったのが「SOETE」でした。
当時SOETEはオープンしたばかりでしたが、沢山の会員さんたちが皆楽しそうにボクシングに取り組んでいました。
体験で訪れた私は、その光景を見て衝撃を受けました。
（自分の知っているボクシングジムとはなんか違う……）
前回書きましたが、私が通っていたボクシングジムは、約15年前の北海道の田舎ということもありますが、とても殺伐とした雰囲気でした。
いわゆる地元のヤンキーだったり、気合いの入った人だったり、普段何をしている方なんだろうという人だったり…
リングには血が染みつき、ボクシンググローブやサンドバッグなど、ジム内のすべてのものから男たちの汗が染みこんだ臭いがしていました。
かくいう私も、ヤンキー漫画の金字塔『クローズ』の久能龍信に憧れて強くなりたいという、ちょっと恥ずかしい動機ではあったので、当時はそんな環境でも「ここが俺の成り上がりの一歩目だ」と思っていました。（そしてスパーリングで鼻を折られます）
そんなイメージが一瞬で覆されるほど、SOETEの雰囲気は爽やかで、におわず（これ重要！）、どこにも血が染みついていません（安全・安心！）。
代表を務める柴田さん（元東洋太平洋＆日本2階級チャンピオン！）をはじめ、トレーナー陣も右を見ても左を見てもチャンピオンだらけ。しかし偉ぶることもなく高圧的でもなく、とても優しく会員さんに接していました。
本当に強い人というのは優しいといいますが、まさにそのことを実感しました。私の敬愛する久能龍信も、強くて怖いと思われがちですが、遠く離れた地にいる兄弟分・テルのためだったら、どんなことがあってもすぐ駆けつけるという、漢気と優しさの溢れる人でした。
ボクシング体験は、シャドーから始まり、ミット打ち、サンドバッグなど、基本のメニューでした。60分の体験でしたが、ミット打ちの途中から息も絶え絶えで、足腰は産まれたての小鹿のようにピルピルしていました。
しかし十数年ぶりのやったSOETEでのボクシングは、私の中にあるボクシングのイメージとは全く違ったものでした。すぐに入会を決意し、翌日から狂ったように週5～6回のジム通いを始めるのでした。
パンチのたびに肉がゆれる
ランニングもダメ、筋トレも飽きっぽい私でしたが、バスケットをはじめ、様々なスポーツに触れていたせいか、「競技性のあるスポーツ」だったら楽しみながら続けることが出来ることがわかりました。
そしてボクシングというのは、大人になっても上達が出来るスポーツです。私の所感だと、サッカーや野球、バスケットなどのチーム球技は大人になってから始めると上達が難しいですが、ボクシングのような、自分の体をつかった個人種目だと、上達速度が速い気がします。
かつて挫折した憧れのボクシング――その楽しさに没頭する毎日ですが、そんな簡単に体重が減るわけでもなく、やはり100キロ（0.1トン）をキープしていました。パンチを打つたびに、ゆれる肉。ぼよん、ぼよんとゆれる肉。そんな贅肉を煩わしく思いながらも、サンドバッグめがけて一心不乱にパンチを打ち続けました。
そんな私が入会して3か月程度たったころ、「スパーリング大会に出ないか」という話になりました。私は「試合に出たい」という気持ちはそれほどなかったというか、そもそも殴られるのって怖いじゃないと思いながら「ええ、まあ、考えておきます」と濁した返事をしていました。
しかし、かつて自分がボクシングを始めたとき「強くなりたい」と思ったこと――それを実現するのは今じゃないか、そう考えました。
そして私は「出場します！」と伝え、また一心不乱にサンドバッグを殴り始めました。
おなかの肉は、まだ揺れていました。
（続く）
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